歯周病とは、虫歯と同じく口腔内の細菌(原因菌)によって引き起こされる感染症です。
進行状況により症状は様々で、歯肉が腫れたり、出血をしたり、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。 ですが、歯周病は予防出来る病気でもあります。歯周病の正しい知識で大切な歯を守っていきましょう!
歯周病治療
歯周病の原因
歯周病は、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)にたまった、歯垢に含まれる細菌が原因となって発症します。健康な人の口腔内には、およそ100種以上の細菌が常在しています。そして、定着する細菌の種類は年齢とともに変化していきます。
歯周病の直接の原因は細菌ですが、毎日歯磨きをしていても歯周病が進行してしまうケースがあります。そのため、自覚症状がほどんどなく、本人が気づく頃にはかなり重症になっているケースが多い危険な疾患です。ここでは、歯磨き以外にも注意すべき点をご紹介します。
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噛み合わせの悪さは歯への力の負担を変化させます。許容範囲以上の力が歯に加わると歯周病を悪化させやすくなります。
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寝ている間の歯ぎしりは、歯に強い力を加え圧迫している状態です。歯と歯の間の境目が緩んで歯周病が進行しやすくなります。
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歯並びが悪いと、どんなに丁寧に歯磨きをしても磨き残しが多くなってしまいます。虫歯と同様、歯周病のリスクが高まります。
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タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、細菌への抵抗力を弱めてしまいます。
歯周病とバイオフィルム
バイオフィルムとは複数の細菌の集合体です。歯周病はバイオフィルムによる感染症であり、正しいケアを行っていないとお口の中にも形成され、歯周病を引き起こす原因になります。では、バイオフィルムが実際に歯周病の進行とどのような関係があるのか、イラストを使いながら解説していきます。
STEP1
歯と歯ぐきの境目にできる隙間を歯周ポケットと呼びます。ここに細菌が集まりバイオフィルムが形成されると、細菌の構成成分や細菌が放出する酵素により歯ぐきに炎症が起こります。
STEP2
歯周ポケットが形成され、中でバイオフィルムが成長し始めると、細菌を食べる多形核白血球や抗体が、バイオフィルムをやっつけようと自ら酵素を分泌し活発に活動します。しかし、酵素はバイオフィルムのバリアーに阻まれて充分な攻撃ができず、逆に酵素によって歯肉が破壊され、歯肉の炎症がさらに拡大・進行していきます。
STEP3
バイオフィルムが成熟し、ますます巨大化すると、これに対して免疫細胞や抗体が戦闘を続行します。このまま治療をせずに放置しておくと、炎症はますます進行し、歯ぐきを支えている骨も溶け始め、最終的には歯は支えを失って抜け落ちてしまいます。